王子はなぜ野獣になったのか?美女と野獣の原作を読んでみたの巻 その1【インナーチャイルドカードと読書記録】
もっとこのカードのことが知りたくなって、このたび原作を読んでみました。
どうもディズニー映画の影響を強く受けているわたしですがディズニーアレンジが効いているのですよね、美女と野獣にしろ、リトルマーメイドにしろ。それはそれでとても好きですがオリジナルにも触れてみたいと思う今日この頃。
そしてこの美女と野獣、原作といっても2種類ありまして、
ザ・オリジナルのヴィルヌーヴ夫人版(以下オリジナル版)と、ヴィルヌーヴ夫人版を短編にアレンジしたボーモン夫人版がございます。
ちなみにディズニー版はボーモン夫人版を元にしているそうです。
以下、ネタバレ含みますのでまっさらな気持ちで原作をお読みになりたい方はここで画面を閉じてくださいね。
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ディズニー版、オリジナル版、ボーモン夫人版。ちがう箇所はけっこうありました。
けっこう、というかある意味別の話なような気もします。
オリジナル版では、全体的ないわゆるお話のパート、語り手が野獣のパート、そして最後に語り手が妖精のパートがあります。
妖精はいい妖精とわるい妖精、両方出てきますが妖精大活躍ストーリーといえると思います。ここだけでもディズニー版とはちがいますね。
また、ディズニー版ではベルはひとり娘(の模様)。お父さんは発明家で村の人からは変わり者扱い、という設定ですが、オリジナル版ではベルは6人の兄と5人の姉がいて末っ子。兄たちは優しいけれど姉たちはベルを嫌っていてお金や名声が大好きでいじわる。お父さんは成功した商人でお金持ち(その後火事などのトラブルにあい貧乏に)という設定でした。
細かい違いを全部あげて考察すると大学の卒論のようになりそうなのでやりませんけども、いちばん印象に残ったちがいは、王子が野獣にさせられた理由です。
ディズニー版では
○若くてかっこいいけどとてもわがままな王子が、一晩泊めて欲しいという老婆の申し出をピシャッと断り魔女に魔法をかけられて野獣になってしまう。
ということでしたが、
オリジナル版では
○王子が生まれる前に王様(王子の父)が亡くなる。悲しみに暮れる女王(王子の母)の前に妖精が現れ王子の養育を申し出る。この妖精は王子を守るやる気には満ちていたが気まぐれなところがあり周りからの評判は良くはなかった。申し出を受けるか迷う女王だが、近隣国が攻めてきて女王は自ら戦いに出陣することになり妖精に王子を預けるしかなくなる。女王はすぐに戦いを終わらせ城に帰るつもりが15年もの長い戦いになってしまう。妖精は一生懸命王子の世話をし王子も妖精を母と呼び親愛の情を抱く。
しかしある時妖精は王子に“お前から恋人のように愛されたいのだ”と言って結婚を申し込んでくる。どうしても妖精のことを恋人には思えない王子。妖精は年老いていて醜い。そして結婚を断ると野獣になる呪いをかけられて…
という展開。
あれー?王子、わがままじゃなかったんだ!って思いませんか?
この妖精について、生まれつき醜かったとかぎょっとするほど醜いとか、結構辛口発言をする王子なのですが育ての親として感謝しているみたいだし、王子わるいことしてなかったんだ〜!と思いました。すごくはっきりは書かれていないのですが、妖精がセクシャルに王子に触れるような描写もありました。(たぶんそういう意味だと思う、という感じ)そんなことされたら王子も嫌だよね。そしていくら感謝しているって言っても無理に結婚するのも自己犠牲だし、そんな心のない結婚しない方が妖精のためでもあるよねえ…、と。
長くなったので、次の記事へつづきます〜